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アメリカのディズニーで日本人キャストとして働いたこと。

CRプログラム2018年4月出国。女子大生が休学をして、フロリダのディズニーワールドで働く1年間の記録。【 Instagram:@haruka.m.9.6 】

日本人が日本人としてアメリカのディズニーで働く、ということ。

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こんにちは、晴香です。

CRプログラムを通して1年間フロリダのウォルトディズニーワールド、エプコット内の日本館で日本人としてキャストをしています。

 

 

大変ご無沙汰しております、、。

7月の更新から約3ヶ月。

この1年という短いプログラムも半分が過ぎようとしています。

更新頻度が低くなってしまったのは、正直半年経っても結局自分の中でブログを書く目的や位置づけをはっきりさせられていなかったから。

誰かに自分の経験を届けたい気持ちはありながらも、日常に追われているふりをしたり、「自分は周囲と違って海外で働くのも、生活するのも初めて」という劣等感が甘えになっていたのかもしれない。

不器用で物事を習得するのに人一倍時間がかかる私にとって、この半年間はひたすらインプット+自分を見つめ直す時期でした。

 

当初はCRプログラムのあれこれについて詳しく書いて目指している人、興味がある人に情報が渡ればいいな、なんて思っていました。でも結局誰かの情報を当てにして参加したところで自分らしい1年は送れなくて、参考にする程度にはとても良いと思うけど結果この地に来て体験してみないとわからないことの方が多い。

 

ならばここからはこの半年でインプットしまくったものに対してアウトプットを始めていこう、今そんな風に思っています。更新頻度も上げていけたらと思います。

ぜひお付き合いください。

(それと、誕生日にfacebookやサプライズ動画のメッセージでブログを楽しみにしている、と言ってくれた人がたくさんいて、ものすごく嬉しくてちゃんとやろうと心を入れ替えたというのも事実です。笑 お世辞でもなんでもそんな嬉しいこと伝えてくれてありがとうございました泣)

 

今回は、こちらでお仕事を始めて半年経ったということで、私が務めているサーバーという役職を通して私が意識していること、工夫していること、逆に課題に感じていることをシェアしたいなと思います。

 

 

 

アメリカと日本ではサーバーに対する認識が違う?

 

まず、アメリカにおいてサーバーとはどんな存在なのか。私は最初、テーブルサービス文化の違いに驚きました。私が実際にアメリカのレストランで働いているからこそ強く感じるのかもしれませんが、日本とは認識も仕事内容や責任も結構違います。

そして私はダイニングの配属を第一希望で出していましたが、研修が始まった後に配属が決まるので、アメリカに行ったこともない私はサーバーの仕事内容など知る由もなく、配属後に段々と現実を把握し始めるのでした、、。

 

アメリカのテーブルサービスレストランでは、1テーブルに必ず担当のサーバーが付きます。最初の挨拶からドリンクの提供、オーダー、リフィル、お会計、ゲストとの会話まで基本的には全て一人で責任を持って全うします

 

アメリカにはチップ文化がありますが、お客様はその担当サーバーのサービスに対して最後にチップ額を決め、プラスアルファを支払います。チップ文化があるからといって、メニューの価格が安く設定してあるという訳ではなく、逆に(?)サーバーのお給料がかなり低く設定してあるのです。私も最初はチップはあくまでもプラスアルファのものと思っていたのですが、実はアメリカのサーバーさん達はチップをもらえなければ平均時給の半分ほどしか稼げないことになります。

 

ということは、頑張れば頑張るだけサービス料がもらえる=自分の頑張りが数字に現れる、ということになります。もちろん人によってチップに対する考え方や、感覚は違うと思いますが、サーバーとしては自分のサービスを省みるきっかけになったり、一応の目安になったりします。

 

もしゲストに満足してもらえなかった場合、その理由は色々あると思いますが、全てはサーバーの言動に起因していると私は捉えています。例えば食事が口に合わなかったとして、それはシェフのせいでもなくレストランのせいでもなく、サーバーの説明や口に合わないとわかった時の対応にかかっているのだと思います。だからこそ、マニュアルが無い上に、人と人とのコミュニケーションによって満足度を高めなければならない。サーバーとはとても責任の大きな役割だと私は感じています。

 

そんなこんなで半年間サーバーを務めてきた私が意識していること、工夫していることをシェアしてみたいなと思います。

と言っても、私がこれらを完璧に全うしている訳では無く、トライしている段階です。そして内容はよくよく考えてみると当たり前なことばかりかもしれませんが、共感してもらえたら嬉しいです。

 

私が実践していること

・3秒でその人を掴む(想像する)

私が今働いている場所には、文字通り世界中からゲストが来店します。

1日何カ国の人と出会っているんだろう、、というくらい。(今度数えてみよう笑)

なので、「日本人だったらだいたいこう考えるよな〜」が通用しないのです。

むしろ日本人のゲストは少ないので、全く知らない文化の元で育った人、文化的に全く異なる価値観を持ったゲストに1時間後には笑顔で帰ってもらえるよう努めなけれはなりません。

 

私は最初にテーブルに挨拶に行った時に、第一印象でまず目の前のゲストがどんな人なのかを想像します。誰とでも話すのが好きなフレンドリーな人なのか、人と話すのはあまり好きではないシャイな人なのか、日本が好きなのかあまり興味がないのか、今機嫌が良いのか悪いのか。

 

人の第一印象は3〜5秒で決まると言われていますが、それはゲストもキャストも関係無く同じ。ゲストの方も、何かしら私に対して第一印象を持つと思います。

テーブルに挨拶に行く前にどんな人が座っているか、例えば服装や表情や誰と来ているのか、そんな情報を元に得た第一印象に合わせて挨拶の仕方を変えたりしています。

 

例えば、二人でご来店した老夫婦のゲストに対して、いきなりハイテンションで声をかけたらびっくりするでしょうし、同世代の3人組の女性に落ち着いた声で挨拶を始めたら、機嫌が悪いのかなと思われるかもしれません。

ゲストが自分の担当するテーブルの席に着いたら、一刻も早く挨拶に行くのですが、ワイワイ話が盛り上がっている時に、割り込むように大きな声で挨拶されたら嫌かもしれません。

 

これは日本のディズニーで働いていた時もみんな気をつけていたことなのですが、私達はショーを演じる役者(キャスト)なので、疲れていてもしんどくても悲しいことがあっても辛くても、それを表には決して出してはいけません。

私はこれを肝に銘じて、とにかくどんな風に自分が演じたらゲストが一番心地良いのか、ということを特に初めて接触する最初の挨拶の時に考えています。

 

実際にやっていることと言えば、声のトーンを変えるとか、表情を少し変えるとか、距離感を調節するとか、ほんの少ししか変化はありませんが、ほんの少しでもゲストの満足度に繋がれば良いなと思っています。

 

そしてこれは私のコミュニケーションにおける癖がそのまま出ているだけかもしれません。私は極度に人に迷惑をかけるのが嫌いで、あまり最初からぐいぐい行くタイプではないし、話しかけるのも得意ではありません。だからこそめちゃくちゃ人間観察と妄想をします(笑)この人は今何を考えているんだろう、何を言ったら喜ぶんだろう、とか、結構考えながら生きています。(話が逸れた)

 

・3分でインサイトを読み取る

挨拶からそのテーブルを離れるまでが、約3分くらい。

その間に、第一印象だけでは得られなかった情報を自分から引き出します

どこから来たのか、日本食を食べるのは初めてか、などなど。

別にマニュアルのようにこれを絶対聞く!と決めている訳ではないのですが、出来る限りそのゲストのことを知りたいなと思ってやっています。

そうすると、ゲストの満足度向上のために出来ることの幅が広がります。メニューの説明をしたり、日本の文化についてお話ししてみたり。

日本食なんか食べたことがないのにオーダーを急かされたら困るだろうし、何度も来たことがあるのに細かく説明されたらうんざりしますよね。ごくごく普通で当たり前なことだけど、こういう当たり前な気遣いの積み重ねが日本のおもてなしに繋がるのかな、なんて思ったりします。

 

インサイトなんて大げさな単語を使ったけど、購買の潜在的な欲求と言うより、満足度の潜在的な欲求?うまく説明出来ないけど、ゲストの背景を元にサービスのトンマナを変えることによって満足度を高められたらいいなということです。

 

・30分で期待値を超える

30分というと、ゲストに料理が運ばれる頃。レストランにおいて一番のサプライズな瞬間は、料理が目の前に運ばれた時かな、なんて思います。その時にそそくさと料理を置いて引っ込んでしまってはもったいないな、とも思います。なのでもったいぶります(笑)出したお料理の説明をしっかりするのはもちろん、食べ方を説明したり、ついでに日本の食文化を説明したり。楽しんでくださいねと笑顔で一言添えるのも絶対に忘れません。

 

そして30分という時間は関係無く、サービスが終了するまでに、何か一つ期待値を超える何かが出来たらいいなと思って実践したりしています。お誕生日やアニバーサリーのゲストにはもちろんお店全体でお祝いしたりするのですが、小さいお子さんがいたら折り紙に日本語で名前を書いてあげたり、さらに日本文化についてシェアしたり。

ただご飯を食べた、という経験では無く、日本文化を体験した時間になっていたらいいなと思います。

(そのためには英語をもっと頑張らねば、、!)

 

・互いに尊重し合える関係を築く

私は、そのゲストがなぜ時間とお金を使ってここに来てくれたのかをよく考えます。たまたまかもしれないし、何か思いがあって来てくれたのかもしれないし、その理由は人それぞれだと思います。

でも、日本から半年の選考を経て大学を休学して来ているただの大学生の私と、地球の反対側から来た、言語も文化も何もかもが違う人がここディズニーの日本食レストランで出会っているという事自体が特別で奇跡的な事だな〜と思います。よく考えますというのは、理由を明らかにしたくて考えているんじゃ無くて、その特別で奇跡的な事に感謝するために無意識的に考えている、みたいな感じです。

 

そう考えると、私の中では接客する側と接客される側という概念がなくなります。なんというか、接客されるを極めるとわがままを受けれてもらえるほど良いみたいな感覚になってしまうし、接客するを極めると、そのお客様の要望になんでもお答えする。以上。みたいになってしまう気がするんです。

 

でもなんかそれだと悲しい。物足りない。

 

私が目指している満足度というのは、そういう事によって得られるものではないと思うんです。おもてなしって、素晴らしい接客をするというよりも、互いに尊重しあえる関係を築く事なのかな、なんて思います。

 

ディズニーはなぜ顧客満足度が高いのかって、キャストは全力でゲストを楽しませたい。ゲストは全力で楽しみたい。その上でキャストはゲストに全力で来てくれてありがとうって思っている。ゲストはキャストに楽しませてくれてありがとうって思っている。なんとなくその関係性が自然に築かれているところに意味があるのかな、と思ったり。伝わるかな、、笑

 

日本人らしさ vs アメリカ人受けするサービス

 

とは言っても、なかなかうまくいかない事もあります。

こんな失敗をした!という訳ではないのですが、本当に自分のこのやり方でいいのかな、と毎日自問自答を繰り返しています。

 

私は、100%日本人だけで構成されたアメリカのディズニーの中にある日本館が好きです。ここにいるキャストは1年間限定で働くので、みんなフレッシュな(?)生粋の日本人です。だからこそ、仕草や佇まいなど、目には見えないもので日本文化を伝える事ができます。

 

しかし、日本で日本人に対してするのと同じサービスをしては、良いサービスと思われない事もあります。簡単なイメージで言うと、日本は空気を読み察する文化。アメリカはフレンドリーで互いの気持ちを伝え合う文化。

 

例えば話し方一つでも、日本人らしく落ち着いた感じでいくのか、フレンドリーに大きくリアクションを取ったほうがいいのか。別にどちらの方が良いとかは無いけれど、正解が無い分、これでいいのかな、、と悩んだりします。

 

日本人らしさを伝えたいけど満足してもらえるようなコミュニケーションをしたい。フレンドリーに接したら喜んでもらえそうだけどそれって日本人の私がここに来た意味があるのかな。なんて色々考えたり。一概にこうしたら良い!とは言えず、さじ加減が難しく感じます。これもやっていくうちに分かっていくものなんでしょうか、、もうちょっと実践を積みながら工夫していけたらいいなと思います。

 

最後に

色々と書いてみて、これは接客業に限らず普段の人とのコミュニケーションにおいても同じことが言えるのかな、なんて思いました。自分が人と接する時の癖も現れているし、逆に接客を通して得たコミュニケーションスキルが、普段の人とのコミュニケーションにも現れるんじゃないかな、と思います。

そう考えると、一緒に働いているキャストさん達も、その人の普段のコミュニケーションが現れているような気がしてきます。

私は本当にコミュニケーション力が高い訳ではないというかむしろ低い方で、人と話すだけでも人一倍神経を使ったり疲れちゃうような人間で、だからお仕事をしていてもナーバスになってしまう事も多いけど、仕事仕事!とは思わずに、目の前の人に楽しんでもらいたいという気持ちでこれからも頑張りたいなと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!!